湖南省長沙市の観光スポット、太平街を紹介します。
今ひとつこれといった観光地がない湖南省長沙市で数少ない大人気観光スポットが太平街です。
太平街があるのは長沙市の東西のメインストリートである五一大道です。バスや地下鉄でのアクセスが良好なのも人気の理由でしょう。
こちらが五一大道側の太平街の入り口です。古い中国っぽい石造りの門が出迎えてくれます。
ここから南へ500m足らず続く細い通り。それが太平街です。そんな通りがなぜ観光地になるのか?
太平街は「老街」です。老街というのは中国の昔の街並みを再現した通りのことです。日本でも川越とか妻籠宿とか津和野とかありますよね。中国にも街角テーマパークとも言うべき老街が全国至るところにあります。
太平街に面するほとんどの建物が昔の中国っぽい外観にまとめられています。
それはあらゆる建物に徹底されていまして、例えばこちらの建物、瓦葺でいかにもチャイナですが…
3階以上は普通のマンションだったりします。3階以上は見ないでね。笑
世界的ぼったくりコーヒーチェーン店もこの通り。八ヶ国連合軍が侵攻した当時の北京の街並みを再現したのでしょうかw
さて、人気の観光地である太平街ですが、観光や仕事で中国に何度も来たことがある人は魅力の欠片も感じないと思います。そもそも、老街という二文字を見てこのページを読むのをやめた人が大半なのでは?なぜっておもしろくないからです。
これは中国人の良くないところなのですが、手早くちゃちゃっと儲けようとするので、昔の街並みの再現度なんてまったく考えません。他の老街との差別化も何にもなし。その結果どうなるか?全国至るところに同じような古っぽい街並み商店街が出来上がるのです。
とにかく写真見てもどこの老街か見分けがつかんもんね。そして商業主義がすごい。長沙だから臭豆腐屋が並ぶのは当然です。でも写真の黄記玉米汁なんて全国チェーン店で、そもそも玉米汁って湖南省特産じゃないです。台湾発祥じゃなかったでしたっけ?
さらにこちら。ダイソーとユニクロの良いとこ取りで超有名なメイソウです。今や各地で引っ張りだこですが、女性向け生活雑貨店がなにゆえ老街にあるのか。妻籠宿にダイソーやユニクロがあったらやっぱ変でしょ?
中国の老街ってどこに行ってもこうなんです。だから中国に来るのは初めてとか、メジャー観光地を一通りまわったという人は一度か二度くらいは見に行っても良いでしょうが、それなりに中国にハマっている人には今さら五郎です。
では太平街は行く価値はないのか?実はそうでもありません。中国のローカルで地域社会にどっぷりハマって現地生活、というレベルまではまだはまり込んでいないという人には。
太平街自体は単なる昔風ショッピングスポットですのでおもしろくもなんともありません。おもしろいのは太平街の裏通りです。個人的におすすめなのは、開放西路と交わる太平街の終わりのちょっと手前から東に入った通りです。
ここは思いっきりローカルです。長沙の下町の人たちが暮らすエリアです。ここがおもしろい。まず麻雀。とにかく麻雀。雀荘が二件おきくらいにあって、地元のおっちゃんおばちゃんが真っ昼間から雀卓を囲んでいます。もちろん賭け麻雀です。写真撮ったら怒られそうな雰囲気だったので撮影自粛。
他にもピンクの理髪店じゃない普通の美容室でばあさまがパーマかけてたり、飲食店の人が夜の営業のために下ごしらえしてたり、バイクと通行人がぶつかりそうになったり。作り物の老街なんて見てるより、こっちのほうがはるかにおもしろいのです。
そしてもう一つ。このエリアは中国で余り見ることがないペットの販売店が集結しているスポットなのです。パット見でも十件以上はあります。犬猫ばかりではなく、うさぎやハムスター、熱帯魚など、様々なペットが販売されています。
大丈夫だよ。キミは食べ物じゃないからね。
そんなペットショップの道を挟んで向かいでは、ニワトリとアヒルと鳩がその場で捌いて精肉加工される即売商品として陳列されているのでありました。これだから中国はやめられない。笑